ある日の店頭にて
〇〇に効く漢方ありますか?
こんな質問
よーく受けます
〇〇の中身は様々で
便秘やしびれ、冷えなんかが多いかな
そんなともぞーの答えは一択
〇〇に効く漢方ってのはないですが
あなたに合う漢方だったらあります
おそらくね
相手はこんな答えは望んでいないと思う
申し訳ない
あーそれだったらこんなんがありますよ
的なものを教えてもらいたい
そうなんですけども
痛みにはこれ
便秘にはこれ
冷えにはこれ
とか言われてるものもあるんですけど
意地悪とかじゃなく
『効く漢方を飲んで欲しい』
そんなん思ってます
そんな漢方の考え方
東洋医学的にみてみましょう
東洋医学的に考える
東洋医学には『弁証』って言葉があって
症状や体質を判断しその方に合った治療法を決定します
そんな方法が『四診』と言われるもので
『望診・聞診・問診・切診』に分かれます
望診ってのは視覚によって判断すること
精神状態・顔色・舌の色・見た目などですが
舌はかなり重要視しています
聞診ってのは耳や鼻で確認すること
体臭・口臭・声の大小などですが
臭いはとてもわかりやすい項目です
問診は質問して確認すること
これはかなり重要で
初回は1時間ほどかけて詳細に確認していきます
切診は触って確認すること
基本触ることはあまりありませんが
脈やツボの確認をしたりします
日本漢方ではお腹を触ったりすることが
診断として発達していますがそれはやってません
弁証を行うことで
その人の体質と症状の原因がわかってきます
東洋医学の基本3要素『気血水』
東洋医学の基本2要素『寒熱』
東洋医学の基本5要素『五臓六腑』
を判断していきますし
新臨床中医学的にいうと
寒熱 気虚 陽気虚 陰虚 気滞 瘀血 水飲 痰湿
を判断していきます
たとえば痛みに効くという疎経活血湯
これは瘀血や湿に関係する痛みの漢方薬ですから
痰による痛みには効きづらい
たとえばめまいに効くという半夏白朮天麻湯
これは冷えや水湿に関係するめまいの漢方ですから
熱がある人が飲むと具合が悪くなりがち
こんな感じで漢方薬ってのは
生薬の組み合わせですから
こんな体質の人に合わせて作っていますよ
っていう感じなので
あんな体質の人が飲むと
効かないどころか害があることも多い
ちなみに西洋薬だったら
痛みにはロ○ソ○ンだったり
めまいにはメ○ス○ンだったり
もちろん西洋薬でも
人に合わせて薬を変えることも多いですが
大体万人に効くように作られていることが多い
こんな違いがありますので
漢方薬ってのは結構シビアに人を選ぶんですよ
『〇〇に効く漢方ありますか?』
『〇〇に効く漢方ってのはないですが
あなたに合う漢方だったらあります』
あなたの希望に沿った答えではないけれど
ちゃんと効く漢方を飲んでもらいたい
いつもそんな風に考えながら
回答していますよ