ある日のカウンセリングにて
この葛根湯すごいですねー⤴︎
ほうほう
そうなんですね
それはよかった!
カラダが冷えるこの季節
風邪は引く前に治すことが大事です
そこで葛根湯
ただね
葛根湯って飲み方が結構難しい
ちぎょうの漢方でも
『葛根湯っていつ飲んだらいいんですか?』
みたいな質問多数
『風邪を引いたら葛根湯』
って言葉があるようにメジャーな漢方ですが
うまく使わないと
効き目が良いだけに逆に具合が悪くなることもあります
そんな葛根湯
少し詳しくみてみましょう
葛根湯の構成
葛根湯とは辛温解表剤と言われている漢方
辛味で温め表面の症状を取るって意味なのですが
構成生薬はこちら
葛根 麻黄 桂枝 大棗 芍薬 甘草 生姜
名前のとおり主役は『葛根』
これまた名前のとおり葛の根から作られます
葛根湯はカラダを温める漢方なのですが
葛根は辛涼解表剤
そう葛根はカラダを冷ましてくれるのです
温めると思ってました
それが漢方薬の組み合わせの妙で
温める力が強い麻黄と桂枝を組み合わせ
温め過ぎるのを防ぐ役割も持っています
発汗して熱を冷ましながら
潤いを維持し喉の渇きなどを改善します
そんな葛根を支えるのが『麻黄』
エフェドリンと言う興奮物質が入っていて
強力な発汗作用があります
エフェドリンは咳止めにも使われるように
気管支を拡張することで咳を楽にします
また利尿作用もあるので
おしっこをよく出すことで熱も下がりやすくなります
シナモンで知られる『桂枝』も
葛根や麻黄を支え発汗させ熱を下げます
桂枝そのものは弱い感じですが
組み合わせることで力が強くなります
『芍薬』は潤いを出してくれます
また桂枝と芍薬を組み合わせることで
汗の出過ぎを防いだり←大事
甘草と芍薬を組み合わせることで
筋肉の強張りを取ったりします
『大棗生姜甘草』は
漢方薬ではよく使われる組み合わせで
脾胃を補ったり
生薬の組み合わせを調和したりします
葛根湯の飲み方
葛根湯は傷寒論という
漢方の古典に出てくる漢方ですが
『汗を出すまで飲みなさい』
と書いてあるようです
そうです
葛根湯とは汗を出させる漢方
『風邪は初めに一発で治せ』
とは山本巌先生の口癖だそうですが
風邪を引いた時
葛根湯を飲んで汗を出させて一発で治す
いわゆる発汗療法に使用する漢方なのです
ではいつ飲むのか?
それは『違和感を感じたらすぐ』
としか言えない
もっと具体的に言うと
寒さがカラダに入ってきた時
そんな時
カラダは寒気を感じる
寒さって言うのは冷えであり
ウイルスや細菌だったりする
その時カラダは熱を出して反応する
いわゆる生体防御反応を起こす
その熱を出すまでの間
人間は寒さを感じる
その熱は絶対体温ではなく
相対体温で考えるのがキモ
37度になったら
38度になったら
ではなく
その人の状態によって熱のピークは変わる
熱が上がりきるまでは
38度であってもカラダは寒さを感じるもの
ちなみに震えるのは
震えることで熱を産生しています
その状態の時に葛根湯を飲み
熱をピークまで上げる助けをしてくれる
熱がピークまで上がると
暑くなり汗をかき熱が下がってくるってわけ
だからね
熱が上がりきって暑い状態の時
熱でぼーっとしている状態の時
葛根湯を飲んでもただ暑くなるだけで
なかなか風邪は治らない
熱を出すお手伝いをして
汗をかかせて治すのが葛根湯
葛根湯はタイミングがめちゃ大事
『違和感を感じたら飲む』
お風呂に入っても温まらないとか
お布団に入ってもなんか寒いとか
朝起きたらなんか背中が強張っているとか
冷えは背中から入ってくるので
背中の違和感ってのはとても大事なのです
ちなみにそんな時
薬局は開いていませんので
タイミングよく飲むために
必ず家に常備しておいてくださいね
あ もう一つ大事なこと
そんな時に解熱剤を飲むと
せっかくの熱が下がって治りが悪くなります
風邪ってのは
カラダから悪いものを出すデトックスですから
解熱剤なんかを飲むと
デトックスできない
必要最小限にしてくださいね